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2014年2月の記事一覧

地域興しと歴史の遺産

   地域興しと歴史の遺産
                                   本宮市立歴史民俗資料館長  長谷川 正
 本宮市内には、一般には知られていない数々の歴史的遺産があります。それは、文化財担当者やごく一部の地域の住民にしか知られていないのですが価値の高いものです。例えば、現在岩角山で建物や石垣の修復工事が行われていますが、那智観音堂の大正時代頃の石垣の下に二本松藩の頃に作られた石垣がそっくり残っていた事実があります。それは、風化花崗岩を正方形に荒く削り出して積み上げていました。急斜面での工事はさぞ難工事の大事業だったと思われます。また岩角山は館跡でもあり、若武者だった伊達政宗が何度も訪れ、人取橋合戦の進撃基地でもあったことなどはあまり知られていません。
 また仁井田地区や青田地区などには中世の板碑が数多く、旧白沢村の範囲には中世の塚や館跡が数多く残されています。現在はあまり関心を向ける人が少ないのですが、本宮市は中世の歴史的遺産の豊富な市であると言っても過言ではないでしょう。地元に宝が眠っているのですから、地域興しの重要な要素として取り上げて貰いたいものだ思います。山林などに未発見の塚が残っている可能性があるので、開発の際には充分に気をつけて、後世に守り伝えていかなければと考えております。