本宮一中ニュース(H29年度~)

メディアと上手に付き合うために~池上彰さんの文章を読みました~

第2学年通信「スクラム」(平成29年6月23日発行)から
  国語の教科書に池上彰さんの「メディアと上手に付き合うために」という説明文が掲載されています。今月、その文章を授業で読みました。インターネットやSNSの普及に伴って、20年前とは比較にならないほどメディアが発達し、人々の生活に浸透しています。そのような私たちの毎日の生活に、メディアは不可欠の存在になっていると言っても過言ではありません。池上さんが現代の私たちにどのようなことが必要だと述べているのか、ご家庭でも話題にしていただきたいので、取り上げました。
 池上さんは、付き合うためには相手のことをよく知らなければならないとして、「テレビ」「新聞」「インターネット」の特徴を記し、池上さん自身の「メディアの活用法」を述べて、結論を導いています。どのメディアもすばらしい特徴がありますが、基本的には「編集されている」ということを念頭に置かなければならないと池上さんは記しています。特にインターネットでは、誰でもが発信できるというすばらしさはありますが、その分、悪意をもった人が虚偽の情報を流すことも容易ですし、悪意はなくても思い込みで誤った情報を伝えてしまうこともよくあります。つまり、インターネットは「玉石混交」のメディアなのです。だから、情報の受け手の力が問われるメディアなのです。池上さんは編集者の意図を考えながらメディアに接し、「玉」と「石」とに分けていると記します。それぞれの特性をよく理解して活用すること、そして、その情報を使う人が自分なりの問題意識をもって読むことの大切さを訴えています。
  10年以上前ですが、かつての教え子でいわゆる「出会い系サイト」を利用して待ち合わせ場所に行ったら、因縁をつけられた上に金銭を強要された者がいました。拒否すると数名の男から暴行を受け、ついには命まで落としてしまいました。悪質なサイトを開いてしまったために高額な金銭を要求されたり、することもあるようです。インターネットショッピングやオンラインゲーム等でも個人情報がオープンなものになってしまい、その個人情報を簡単に消去できない「デジタル・タトゥー」という現象も社会的なものになっています。 
  中学生でも1分以内に返信しなければならない等で、家庭で過ごす時間のほとんどがメディアに縛られている生徒もいるようです。昼夜逆転してしまい、勉強が手につかないどころか、朝起きられずに登校できない生徒も全国にたくさんいます。そのため昨年の入学式の後に、保護者の皆様に「夜は時間を決めて保護者に預かってもらう」ようにお願いしました。便利さの裏側にある物をよく理解して、上手に付き合ってほしいと思います。